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飛騨山脈のジオのおはなし

第13章 双六岳

双六岳の山頂砂礫地と構造土

コラム13章画像スゴロクといえばサイコロがつきものですが、双六岳につながる双六谷には、「盤の石」と「賽ヶ縁」(さいがふち)があります。そこには、神代の頃の話として、神様と天の邪鬼(あまのじゃく)にまつわる伝説が残っています。
 「日本百名山」の著作で有名な深田久弥氏によると、「盤の石」伝説は双六の名に合わせて後からできたのではないかといいます。つまり、古い書物では双六谷を四五六谷と書くことから、双六は、岩場を示す「スゴ」や「ゴロ」と同じ類の地名だというわけです。飛騨山脈のゴロ地名としては、黒部五郎岳等があります。確かに日本各地の山名の多くは、地形や山の姿が由来になっています。
 双六岳は、標高二八六〇㍍。槍ヶ岳からの西鎌尾根、笠ヶ岳からの稜線、飛騨山脈北部につながる稜線の出会う場にあります。飛騨山脈核心部にあり、なだらかな山容の山です。
 なだらかな理由は、双六岳からその北側の三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)にかけて、船津花崗岩類と総称する約二億年前の岩石群が分布するためです。これら花崗岩の仲間の岩石は、風化して砂礫になりやすいため、侵食され丸みのある地形を作ります。山頂部は、平坦な砂礫地で、槍ヶ岳のビューポイントのひとつです。
 また、双六岳の山頂平坦地では、構造土が見られます。日本の構造土は、寒冷な山岳の砂礫地にできます。つまり、土壌の水分の凍結・融解に伴う土壌の膨張・収縮により、比較的大きな礫が移動します。双六岳など平坦地の構造土は、直径二十㌢程度の円周上に大きな礫が並び、内部は細かい礫となります。これは、特に円形土とよび、円形土が並ぶと亀の甲羅状の模様になります。
(飛騨地学研究会 中田裕一)

 
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