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飛騨山脈のジオのおはなし

第29章 山吹の百間滝

山吹の百間滝奥

上宝町金木戸の双六川支流に山吹谷があります。山吹峠の道路には、谷底から数十メートルになる所があります。そこで耳を澄ますと、流れ落ちる水音が聞こえてきます。峠の入口の滝見橋から谷に降りて、足場を見つけながら壁を一つずつ越えて上流へ行きます。階段状の流れが終わり、両岸から岩盤が迫る奥に、落差約25メートルの百間滝(山吹滝)があります。
この百間滝、3つの謎を問いかけてきます。それは、この場所に滝ができたこと、滝を挟んでその上流側と下流側の両方で流れが緩やかであること、滝の両岸の岩盤が迫って狭い谷の奥に滝があることです。
まず、滝ができた理由は、断層の影響と考えました。つまり、断層が谷を横切り、段差になっています。そこに滝ができました。段差の延長は、段差や急斜面として、山吹谷の東西の尾根にあります。2億年ほど前に断層の割れ目があり、その後隆起するときに、割れ目が崩れ段差ができたかもしれません。
次に、滝を挟んで上流と下流が緩やかな理由は、地質が関係しています。このあたりの岩石は、ジオランドぎふ(ホームページ)によると、花崗閃緑岩(地下でマグマが固まってできた岩石)です。しかも滝を含む幅一キロメートル程は、熱や圧力により特に硬くなっています。花崗閃緑岩は、元々、風化に弱く崩れやすい岩石ですが、ここでは、岩石が周囲より相対的に硬いため、緩やかな地形として残ったと考えました。
最後に、滝が狭い谷の奥にある理由は、滝の水流が段差を溝状に削ったからです。その溝は時間とともに奥に長くなり、滝も奥へ移動してきました。そのため、溝の中は、岩盤の壁が続いて狭い谷になっています。

(飛騨地学研究会 鷲見 浩)

 

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