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飛騨山脈のジオのおはなし

第25章 奥飛騨温泉郷1

活火山がつくる温泉

奥飛騨温泉郷が、「全国温泉地満足度ランキング(旅行サイトじゃらん2020年版)で、満足度96%を獲得し2年連続1位に輝いた」と12月12日付の新聞にありました。飛騨山脈の雄大な自然と湯が評価されたのではという関係者の声も合わせて掲載してありました。

この奥飛騨温泉郷は、全国の温泉地と較べても泉温の高さ、湧出量はともに上位クラスです。さらにこの泉温の高さと湧出量の多さを活かし、これも全国トップクラスの露天風呂があることで知られています。  

飛騨山脈の南部には、乗鞍岳・アカンダナ火山そして焼岳という3つの活火山が並んでいます。奥飛騨温泉郷の温泉群は、これら活火山の地下で地下水が熱せられたり様々な成分が溶かし込まれ湧き出しているものと思われます。
まさに飛騨山脈(大地)からの恵みなのです。

奥飛騨温泉郷には、古くから湯治場として知られた平湯温泉、蒲田(がまだ)温泉をはじめとして数多くの温泉地があり、人々に利用されてきました。
昭和54年以降、これら多くの温泉地を平湯温泉・新平湯温泉・福地温泉・新穂高温泉・栃尾温泉という5つの温泉群にグループ分けし、全体を奥飛騨温泉郷と総称しています。この名称は、高山市との合併後、旧上宝村の南東側町名にもなっています。
今から1300年ほど昔、天平5年に書かれた出雲風土記の中に玉造温泉について、「1度浸かれば容姿端麗、2度浸かればたちまち万病を除く」と温泉の効能を絶賛しています。

このように、かつては温泉といえば、心身の疲れを癒し病を治すなくてはならない存在でした。その役割は、「癒し」の比重が大きくなってきてはいますが、今も私達の暮らしになくてはならない存在です。
(飛騨地学研究会 下畑五夫)

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