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第28章 蓑谷の三滝

三つの滝の歴史

蓑谷の三滝とは、高山市上宝町蓑谷付近の3つの滝をいいます。これらの滝は、沢上(そうれ)谷の上流部にあり、沢上谷は白水谷と合流して高原川に注いでいます。
 高山市丹生川町折敷地(おしきじ)から県道89号線で峠を越えると上宝町蓑谷です。県道をさらに進むと、東方に絶壁と滝が遠望できます。
最も右側の沢上谷本流にある滝が蓑谷大滝です。大滝の左に山犀滝(岩洞滝)、さらに左に少し離れて五郎七滝が見えます。蓑谷大滝は水量が多く、山犀滝はまっすぐ落ちています。五郎七滝はすべり台のような、なめ滝です。
山犀滝は、明治初期の「斐太後風土記」に瀧ヶ平山中の滝としてその名があります。また、「飛騨の山山」(酒井昭市著)によると、地元の蓑谷では、山犀滝をみそしる滝ともいいます。その由来は、滝の上流にある大原の人が味噌汁でも何でも捨てたからとされます。他に、みぞの終りの「みそしり」からきているともいわれます。
五郎七滝の名は、この滝に誤って落ちて亡くなった村人の名からきています。
 蓑谷の三滝は、すべて、上宝火砕流による溶結凝灰岩の崖を流れ落ちています。上宝火砕流は、約65万年前に奥飛騨温泉郷福地の南方の貝塩付近から噴出しました。高温の火砕流(火山灰などの火山噴出物)は、主に西方に向かって今の高山市街地あたりまで流れ下り、火砕流台地を作りました。今でも台地の一部が所々残ります。
高温で流動性のある火砕流も、冷えると溶結凝灰岩という硬い岩石になります。この岩石の火砕流台地は、侵食に伴い絶壁を作りやすく、蓑谷の三滝はこの絶壁にできた滝です。
(飛騨地学研究会 中田裕一)

 
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